ベニスの高潮 その1 | イタリアよもやま話

ベニスの高潮 その1

ベニスはよく水に浸かる。
水に浸かるといっても洪水とかではなくて、大潮の時に雨や海風が水位を上げると海水が引かなくなってしまうのだ。だから予想もつけやすく、高潮の2~3時間前には街中あちこちに設置されている空襲警報のようなサイレンが鳴り響く。これがなかなか不気味で怖いのだ。
複数のサイレンの音が、「う~~~。う~~~~。」とあちこちで鳴るので
「ああ、街中で鳴ってる」と実感され、戦時中の空襲警報のようである。(といっても戦時中のことは知らないが・・・)何故か早朝とかが多いのだが、このサイレンで爆撃機がやってきたら、さぞ怖いだろうなぁ、と毎回寝床の中で思う。
だがここベニスにやってくるのは高潮である。長ければ長いほど2~3時間後に訪れる高潮の水位の高さが想像できるようになっている。
ベニスの住民はこのサイレンが聞こえると、数時間後に出かける際に必要不可欠のゴム長靴を履いて出るのである。