ピサの斜塔―やっぱり名所かも… | イタリアよもやま話

ピサの斜塔―やっぱり名所かも…

  イタリアもかなりいろんな街を周ったが、
何故かピサだけは地理的にも少し辺鄙な地方にあるせいか、訪れる機会が今まで一度もなかった。
それがこの夏にやっと実際の斜塔
お目にかかることが出来た。

友達から
「ピサなんて斜塔付きの大聖堂しかない町」
と聞かされていたので別に期待もしていなかったが、
なんのなんの、やっぱり有名なだけあって、すごく良かった。

町は中世の城壁に囲まれており、中に大聖堂と斜塔がある。
斜塔も 予想以上にかなり傾いているが、切符を買えば観光客が上れるようになっていた。
(その切符があまりに高かったので、アホらしくなって私はのぼらなかったが。)


何よりも目を引いたのが、大聖堂の立地条件である。
イタリアの大聖堂は、一般的には町の中心に石畳の広場があり、
その広場に面して立てられていることが多い。
となると、そこには市役所や喫茶店、レストラン、ホテルなどが隣接していることも多い。
ころが、ここの場合石畳の広場はなく、緑の広い芝生に囲まれているのだ。
そこにポツン、ポツン、と大聖堂、斜塔、洗礼堂、墓地などがあり、
なんだかちょっとアメリカンとも言える、イタリアでは他に見られない様式だ。

大聖堂の方が中も外もすばらしく、中央のモザイクに圧倒される。
2階に回廊が張り巡らされ、ヴェネツィアのサンマルコ大聖堂と少し似た構造になっている。
サンマルコを見たときは、なんてすばらしいんだろうと感心したものだが、
こっちの方がその大きさのせいか、より威厳があり、上品でありつつも輝かしい雰囲気だ。

ついでにもう一ついうと、ヴェニスはもとより、普通の大聖堂にはトイレもないので
ちかくの喫茶店にトイレ目的で入らなければならないが、
こっち大聖堂のほんの2~30m隣にある。
30セント程度払う事になっているが、とても掃除の行き届いた広くて新しいトイレだった。
こういう小さな事もプラスの印象となって残るものなんだなぁ。