イタリアよもやま話 -86ページ目

イタリアの木の形は変


イタリアの小学生の描く絵を見ると、
必ず、木がほうきのような形で、
幹から突然何本もの枝が出ている絵を描く。

それもそのはず、イタリアの木は
実際にそんな形をしているのだ。
やはりこちらに住んでいた日本人の友達が、
「イタリアでは気候が違うから、木の形も違うのかな」
と言っていたのを思い出すが、
まさか、そんなはずがあるわけがない。
その証拠に人の手が入らない森や林の木は
日本のと同じ形だ。

こちらでは春先に木の枝を幹のところまで
バッサリ剪定してしまう習慣があるのだ。
毎年同じところまで切ってしまうので、
毎回はえるところは一緒。だから幹がやたら太くて、
そこから何本も細い枝が出る、
ほうきのような形になる。
(写真は北イタリアの田舎でよく見られる柳科の木。
葡萄のツルを支え木にくくりつける紐の役目を果たす
のが、この柳の柔らかくて細い枝。)

で、イタリア人の子供はそんな木を見て育つので、
木というとほうきみたいな絵を描く。

サバのスモーク

これはイタリアのものでも、料理法でもないのですが、
手軽でおいしいので取り上げました。

デンマーク産のスモーク鯖です。
イタリアではスーパーの冷蔵庫に真空パックになって
売られています。何でも手に入る日本のことだから、
絶対にあると思います。
プレーンのもの、
ペッパーのまぶしてあるもの、
香草各種がまぶしてあるもの、
の3種類が見られますが、私はプレーンのものを好みます。
鯖の油が全体に染みていて、スモークの香りとで、
なかなか美味しいご飯のおかずになります。
オーブンレンジで表面がパチパチいう位に3~4分暖める
と、かなり油分が滲み出ます。
(でも匂いが気になる人はホイルで包んで焼いた方がいい
かもしれません)
いくら青魚の脂肪分でも、このままではちょっとギトギト
していますから、キッチンペーパーか何かで吸い取って、
お皿に。お塩は効いていますが、プレーンのものだったら
お醤油をちょっとたらしても、いいと思います。
日本ではいくらするか知りませんが、こちら
では安価なもので、写真のもので1ユーロちょっとでした。

でもアジの開きや、秋刀魚の塩焼きが毎日美味しい日本米
と一緒に食べられるんだったら、私としてはそれが一番
幸せです。あぁ、羨ましい・・・・。

ワニの頭つきショルダーバッグ


南アフリカの観光PRであろうか、

民芸土産としてヴェローナ空港の片隅のショーウィンドウ

にあった。最初は目を疑った。

ワニの体そのままがショルダーバッグになっている。

よく見ると、前足2本もそのままついている。

裏側には後ろ足もあるのであろうか。

開ける度にワニの顔をつかんでグイっと

引っ張らなくてはならないようだ。

こんなバッグを持って歩く人がいるのだろうか...。


ワニの頭付きショルダーバッグ

角度を変えてみてもらおう。

口からぎざぎざの歯も見えるのがわかるだろうか。

前には子ワニの剥製(?)もある。

このバッグ、使われることもなく、

空港の片隅に展示されている。

それが余計にグロテスクであった。

全く、なんて無意味なワニ殺しをしたものだと思う。

そういう私も頭はついていなくても

ワニや、牛や、ミンク(なんてね、これは嘘)

の体の一部を持ち歩いたり、

身にまとったりしている訳だから、何もいえない。


オペラ「リゴレット」の舞台:マントヴァ

マントヴァに仕事で行った。

3度目だが、冬は初めて。

北イタリアに位置する小さな町マントヴァは、

湖に囲まれた美しい城下町だ。

パルマやヴェローナに近いが、

ミラノと同じロンバルディア州に含まれる。

電車の便などが良くないせいか、

文化的に、華やかな舞台からは遠ざかっているようだが、

ヴェネト州から出てマントヴァを訪れると、

人も町並も気取ったところのない、それでいて

品がよく、一本筋が通っている感じを受ける。

観光地特有の胡散臭さがない、とでも言おうか。

イタリアの町では普通に見られることだが、

大きく分厚い一枚石を長く並べて敷いた、

日本人にとっては超贅沢な歩道が

この町では何故か一層私の目をひきつけた。

マントヴァ


マントヴァ街中の歩道。














バリ、イタリアのかかと

仕事でバリに行った。バリ島ではない。
プーリア州のバーリ。
1度目は夜行列車で、
2度目は車で、
今回は3度目、初めて飛行機で行った。
楽は楽だが、カルチャーショックがひどい。
やっぱり徐々に南下して
景色が変わるのに慣れていかないとダメなのか、
時間がかからないと、実感がないのか、
とにかく、北イタリアとの差に
一種のショックを受ける。
北から来ると、ここはほとんどアラブに近い。
郊外の廃家、
耕作されているのかされていないのか
よくわからない荒地、
白塗りの家・・・・。
もちろん人々の様子も大分違う。
バザールを思わせる迷路のような旧市街では、
一人歩きは危ないとイタリア人に言われたが、
この日はお祭りで、お偉さんでもやってくるのか、
警察があちこちに沢山いて、
まったく安心だった。
パン屋のフォカッチャ(切り売りのピザのようなもの)
は、3度目も同じ味。
ここのはイタリアで一番おいしいと思う。

バリ

バリ旧市街の聖ニコーラ大聖堂の入り口にある彫刻。
触られてか、座られてか、
丸く磨り減ってしまっていて、
どんな顔だったのかわからない。
でもかえって愛嬌がある。

バリ

教会前のイルミネーションは、
なんだかアラブ的というか、
東南アジア的というか、
決して趣味がいいとはいえない。
でも生憎雨天で人の少ない夜、
一生懸命輝いているのを見ると、
なんだかフェッリー二の映画の舞台を
見るようなシュールさがあった。

バリ

聖二コーラ大聖堂の中。
ここに入ると、
「あぁ、やっぱりイタリア」
と思う。
天井の絵はいまひとつ
時代にそぐわないが、
祭壇の大理石の椅子や
その付近の床に張られた大理石
の幾何学模様のモザイク、
2階部分の回廊、など、
一見の価値ありの教会。